Nostalgic Scenery~郷愁の風景~

「旅」は日常からの脱却。 行く先々でノスタルジーに浸りつつ写真を撮り続ける。

竹原(広島県)

竹原(広島県)・西方寺門前から

本格的に旅をするようになったのは10年前。

ちょうどこの頃にアニメ「たまゆら」が放映されていて、その舞台が広島県竹原だった。

聖地巡礼という程ではないが、興味を持って東京からわざわざ足を運んで、その町並みを見に行った。

竹原は瀬戸内海に面した港町だったが、江戸時代に広島藩の支配地となり、干拓事業が始められた。

しかし、塩分が多く稲作に不適だったため、塩田としての開発が行われたが、これが大成功。

赤穂と並ぶ製塩地として繁栄し、西回り航路ができると塩の積み出しをはじめ物資の集積など、廻船業や酒造業などによって町が発展した。

その財力で旧市街地の中心部に現在も残る町並みができた。

「安芸の小京都」と称されているが、これほどまでの豪勢な街並みは京都には見られないだろう。

 

竹原の町並み保存地区はそれほど広くないが、その中央部の山手に「西方寺」という寺院があり、その石段から臨む家並みが素晴らしかった。

その風景は写真や絵によく取り上げられたものだが、訪問してから4年後にその石段の下で火災が起き、上の写真と同じ風景を見ることはできないそうだ。

(2012.07)