八木町・今井町の陰に隠れたもう一つの濃密な古い街並み
重伝建指定を受け古い街並みを色濃く残している「今井町」だが、実はそれと負けじ劣らじの濃密な街並みが残っている場所がある。
その町は、大和八木駅を挟んで「今井町」と反対側の場所にある「八木町」である。
かつて難波津と飛鳥京を結んでいた「横大路」と、藤原京と平城京を結んでいた「下ツ道」が交差する「札ノ辻」を中心に、古代の道筋がほぼそのまま残っている。
「今井町」とは対照的に過度に整備されておらず、生活の匂いを色濃く感じさせる。
近鉄電車の大和八木駅から八木町の古い街並みを経て、JR桜井線の畝傍駅に辿り着いた。
周辺はひっそりとしているが、駅舎は立派に大きく、昭和15年に昭和天皇の橿原神宮行幸に合わせて建てたものだという。
かつてはここが橿原の中心だったということだが、近年は近鉄に押されて、ローカル線の駅という雰囲気だ。
(2020.05)